軽自動車と普通車
日本の自動車には大きく分けて軽自動車と普通車の2つの規格が存在します。
それぞれ自動車に変わりはないものの、機能面のほかにも登録制度や維持費を含め両者には大きな違いがあります。
これから車の購入を検討している方の中には、軽自動車と普通車のどちらを購入するか迷っている方もいるかもしれません。
そこで、今回は軽自動車と普通車の違いを比較しながら、ぞれぞれのおすすめ車種を紹介したいと思います。
どちらを購入するかお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
軽自動車とは?
軽自動車とは、日本独自の規格の自動車のことで、エンジンの排気量やボディサイズ一定の範囲に収まっていることを条件に、普通車よりも税制面や保険料などが優遇されている自動車のことを言います。
軽自動車の規格
軽自動車は1949年(昭和24年)に初めて規格が制定されました。
当時の規格はエンジン排気量が150cc(4サイクル)、ボディサイズの長さが2.8m、幅が1m、高さが2mという小さなサイズとなっていましたが、その後何度も規格が変更されて、1998年(平成10年)以降は現在までエンジン排気量の上限が660cc、ボディサイズの長さが3.4m、幅が1.48m、高さが2mという規格が採用されています。
軽自動車の届出制度
軽自動車は情報を登録する仕組みとして届出制度が運用されています。
特別民間法人の軽自動車検査協会が、届出された軽自動車に対して国に代わって車検証やナンバープレートを発行する仕組みになっています。
普通車とは?
日本における普通車とは、適用される法律によって分類が異なります。
軽自動車と比較する場合は、主にボディサイズが基準となる道路運送車両法の区分が明確で、5ナンバーサイズ、の「小型乗用自動車」と3ナンバーサイズの「普通乗用自動車」が一般的に普通車と呼ばれる規格に該当します。
普通車の規格
普通車における「小型乗用自動車」の規格は、エンジン排気量が660cc超2000cc以下、ボディサイズの長さが3.4m超4.7m以下、幅が148m超1.7以下、高さが2m以下となっており、ナンバープレートの分類番号が500番台であることから、5ナンバーサイズともいわれています。
小型乗用車を超えるサイズの「普通乗用自動車」の規格は、エンジン排気量が2000cc超または、ボディサイズの長さが4.7m、幅が1.7m、高さが2mのいずれかを超えた車となっていて、ナンバープレートの分類番号が300番台であることから、3ナンバーサイズともいわれています。
普通車の登録制度
普通車には国の機関の陸運支局に車を登録する登録制度が運用されています。
普通車の登録制度は、自動車の所有者や運転者を特定するための制度で、日本では普通車を所有する場合、道路交通法に基づきその車を登録する必要があります。
普通車の登録制度では、車のナンバーや車台番号、所有者に関する情報のほか、過去の譲渡履歴が登録されていて、これらの情報により盗難車の特定や車両の所有権確認が行えるようになっています。
軽自動車と普通車の違い
軽自動車と普通車は、人や荷物を載せることを目的とした自動車ですが、いろいろと異なる点があります。
そこで、軽自動車と普通車について具体的にどのような違いがあるかについて、比較してみたいと思います。
エンジンとボディサイズ
軽自動車と普通車の違いでもっとも大きな違いは、エンジンの排気量とボディサイズの違いです。
軽自動車は税制や保険などの優遇がある代わりにエンジンの排気量とボディサイズの規格が決められています。
実際の違いについて以下の表にまとめてみました。
軽自動車と普通車のエンジン・ボディサイズの規格の比較
軽自動車 | 普通車 | ||
小型自動車 | 普通自動車 | ||
排気量 | 660cc以下 | 660cc超2000cc以下 | 2000cc超 |
全長 | 3.4m以下 | 3.4m超4.7m以下 | 4.7m超 |
前幅 | 1.48m以下 | 1.48m超1.7m以下 | 1.7m超 |
全高 | 2.0m以下 | 2.0m以下 | 2.0m超 |
乗車定員
乗車定員は、軽自動車の場合道路運送車両法により定員は最大で4名が上限となっていてそれ以上の乗車は原則違反になります。
一方で普通車の場合は法律上の区分が異なるものの、定員は最大で10人が上限となっています。
維持費
購入後の維持費についても軽自動車と普通車では大きな違いがあります。
特に軽自動車は税制面での優遇が多く人気の要因の一つとなっています。
軽自動車と普通車の主な維持費の比較
軽自動車 | 普通車 | |
自動車税(種別割) 軽自動車税(種別割) |
10,800円 | 25,000円~110,000円 |
自動車重量税 2年 ※エコカー外 |
6,600円 | 8,200円~49,200円 |
自賠責保険料 24ケ月 ※離島以外(沖縄県除く) |
19,730円 | 20,010円 |
ナンバープレート
軽自動車と普通車ではナンバープレートにも違いがあります。
普通車のナンバープレートは白地に緑文字ですが、軽自動車のナンバープレートは黄色の配色が使われています。
以前の軽自動車のナンバープレートは、黄色地に黒文字となっていて、普通車とは明確に区別されていましたが、現在は普通車と同様に白地に緑文字が採用されていて、白地の外枠が黄色になっているものが軽自動車のナンバープレートになっています。
なお、過去にはラグビーワールドカップや、東京2020オリンピック・パラリンピックの特別仕様ナンバープレートとして、普通車と同じ白地に緑文字の配色のナンバープレートが軽自動車に採用されていることもありました。
走行性能
走行性能に関しては、車それぞれの設計やコンセプトによって変わりますので、軽自動車と普通車という分け方で比較することは難しいものの、エンジン排気量とボディサイズの規格の違いから比較することは可能です。
軽自動車のエンジン排気量は660cc以下という上限が決まっているため、排気量が大井きい普通車と比較すると、エンジンの出力性能は低くなってしまいます。
また、ボディサイズでは軽自動車は全長が3.4m以下、全幅は1.48m以下となっているため、高速走行での直進安定性やコーナリング時の安定性では一般的には普通車の方が優れていると言えます。
高速料金
軽自動車と普通車では高速料金でも違いがあります。
高速道路を走行するときに支払う料金は、自動車の車種と利用する距離によって金額が決められていますが、軽自動車はボディサイズの規格が普通車よりも制限されているため、道路にかかる負荷が他の車種よりも少ないことから、低い料金が設定されています。
具体的には、普通自動車1㎞あたりの料金の8割の金額が軽自動車の高速料金となっています。
軽自動車のおすすめ車種5選
税制面をはじめ経済的なメリットが多く人気が高いのが軽自動車です。
その中でも今回は特に人気の高い軽自動車5車種をピックアップしてご紹介します。
ホンダ N-BOX
N-BOX(エヌボックス)は、自動車メーカーのホンダが製造・販売する軽自動車で、スーパーハイトワゴンのカテゴリーに分類されます。
N-BOXは、普通車を含めた022年の新車販売台数で1位の座を獲得しています。
軽自動車と感じさせない広い室内空間と質の高い装備で若者を中心に人気が集まっています。
さらには、N-BOXには通常のデザインのほかドレスアップパーツが標準装備されたN-BOXカスタムもラインアップされていて、燃費の良さや取り回しのしやすさと合わせて、デザイン力の高さもN-BOXの魅力の一つとなっています。
ダイハツ タント
タントは、ダイハツ工業が製造・販売するスーパーハイトワゴンの軽自動車です。
N-BOXと同様に軽自動車と感じさせない広い室内空間を確保していることから、ファミリー層を中心に人気があります。
また、タントには助手席側の前後ドアの間に柱がないピラーレス構造のミラクルオープンドアが採用されていて、スムーズな乗り降りができることも人気の理由の一つです。
2022年の10月にマイナーチェンジしたタントでは、新たにアウトドア向けのモデルとしてタントファンクロスが登場し、注目を集めています。
ダイハツ ムーヴキャンバス
ムーヴキャンバスは、ダイハツ工業が製造・販売するハイトワゴンの軽自動車です。
ムーヴキャンバスは、ムーブシリーズのモデルの一つですが、初めて採用されたスライドドアと、丸みのあるかわいらしいデザインに特徴があります。
働く女性をターゲットに開発されたムーヴキャンバスは、愛らしい外観のデザインとあわせて内装デザインもシンプルで心地良さを感じさせるデザインを取り入れています。
スズキ スペーシア
スペーシアは、自動車メーカーのスズキが製造・販売するスーパーハイトワゴンの軽自動車です。
室内空間が広く天井も高いことから大人4人がゆったり乗車できる設計になっています。
スペーシアは燃費の良さも特長のひとつで、全グレードにマイルドハイブリッド機能が搭載されています。
2018年から新たに追加されたSUVモデルのスペーシアギアは、趣味やアウトドアに合わせたアクティブなデザインと装備が若者を中心に人気を博しています。
スズキ ジムニー
ジムニーは、自動車メーカーのスズキが製造・販売する四輪駆動(4WD)の軽自動車です。
軽自動車特有のコンパクトなボディサイズながら本格的なオフロード性能を持つことで多くのユーザーに高く支持されています。
軽量なボディに強度と耐久性のあるラダーフレーム、リジッドアクスル式サスペンションに加えてパートタイム方式の4輪駆動を採用することで、四輪駆動車の中でも高い悪路走破性能を持っているのがジムニーの大きな特長です。
ジムニーは2018年から現行モデルが発売されすでに5年以上経過していますが、今なお人気は衰えておらず、契約から納車までに1年以上待たされることもあります。
普通車のおすすめ車種5選
軽自動車と比較して室内空間や余裕があり、乗車定員も多く様々な使用用途に対応できるのが普通車の良い点です。
ハイブリット機能や最新の技術を駆使した安全性能や走行性能を備えた車種を選べるのも普通車ならではの魅力と言えます。
続いては、特に最近人気の高い普通車の5車種を厳選してご紹介します。
トヨタ ヤリスクロス
ヤリスクロスは、トヨタ自動車が製造・販売しているコンパクトなSUVの普通車です。
コンパクトカーのヤリスをベースにしたクロスオーバーモデルで、コンパクトなサイズながらも車高が高くなっていることから、街中からアウトドアまで幅広いシーンで利用できるモデルとなっています。
駆動方式ではFF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)の設定があるほか、エンジンはガソリンエンジンとあわせてハイブリッドエンジンもラインアップされており、環境に配慮した運転が可能です。
トヨタ プリウス
プリウスは、トヨタ自動車が製造・販売しているハイブリッドカーの普通車です。
1997年に世界で初めて市販モデルのハイブリッドカーとして発売され、その後モデルチェンジを繰り返し現在では5代目となるモデルが販売されています。
プリウスは、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載しており、燃料効率の良さと低い排出ガスが評価され、世界中で人気を集めています。
ホンダ ヴェゼル
ヴェゼルは、自動車メーカーのホンダが製造・販売しているコンパクトなSUVの普通車です。
欧米などの主要海外市場では “HR-V”の車名で販売されていて、国内外で人気があります。
ヴェゼルには、スポーティでコンパクトなボディサイズの外観とあわせて、内装は上質な素材と、運転者の視認性を重視したデザインが採用されています。
駆動方式ではFF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)の設定があるほか、エンジンはモーター走行を主体としたハイブリッドシステムのe:HEVを搭載したモデルをラインアップしています。
ホンダ フィット
フィットは、自動車メーカーのホンダが製造・販売しているコンパクトサイズの普通車です。
運転がしやすい小型のボディサイズながら広い室内スペースと多様なシートアレンジで使い勝手が良いことから人気があり、多くのユーザーに支持されています。
また、現行モデルのフィットには、ガソリンエンジンのほかにモーター走行を主体としたハイブリッドシステムのe:HEVを搭載したモデルをラインアップしていて、燃費の良さも魅力の一つとなっています。
日産 ノート
ノートは、日産自動車が製造・販売するコンパクトサイズの普通車です。
2005年に発売を開始して以降、日産自動車の小型車の主力車種として販売されていて、現在のモデルは3代目となっています。
現行モデルのノートの特長は、発電用のガソリンエンジンを搭載したモーター駆動のシステム “e-POWER”の専用車種となっている点です。
コンパクトなボディに高出力のモーターを搭載することで、低燃費と力強い走りを両立しています。
まとめ
税制面をはじめ経済的なメリットが多く人気が高い軽自動車。
一方で、室内空間や余裕があり、乗車定員も多く様々な使用用途に対応できるほか、ハイブリット機能や最新の技術を駆使した安全性能や走行性能を備えた車種を選べる普通車。
それぞれ特長がありますので、軽自動車と普通車のどちらを選ぶべきか迷っている人も多いと思います。
車の購入で迷っているときの解決のポイントは、何を優先するかを決めておくことと、実際に車を見て比べてみることです。
グローバルクレストでは軽自動車と普通車それぞれの車種をお取り使いしています。
また、軽自動車と普通車のどちらを購入した方がいい?といったご相談も大歓迎ですので、お気軽にごお問い合わせください。