車のスマートキーとは?
車のスマートキーは、鍵穴にキーをさす必要がなく、車に近づいたり触れたりするだけで操作できる車用の鍵のことを言います。
車のスマートキーの仕組み
車のスマートキーは、車本体とスマートキーで送受信される電波によって自動操作が行われる仕組みになっています。
車のスマートキーが一定距離の範囲内に入ると、車に搭載された発信機から電波が発信されます。
車から発信された電波を受信したスマートキーが自動で応答用の電波を発信します。
スマートキーから発信された電波を車のセンサーが再び受信することで、ドアロックの解錠や施錠が行われる仕組みとなっています。
メーカー別の車のスマートキーの呼び方
車のスマートキーは、メーカーごとに独自に開発をしていることから、呼び方についても違いがあります。
例えば、トヨタ、日産、ホンダ、マツダは、いずれも「スマートキー」という呼び方を採用しています。
また、スズキは「携帯リモコン」、スバルは「アクセスキー」、三菱は「キーレスオペレーションキー」という呼び方を採用しています。
メーカー | システムの呼びかた | スマートキーの呼び方 |
トヨタ自動車 | スマートエントリー&スタートシステム | スマートキー |
日産自動車 | インテリジェントキーシステム | インテリジェントキー |
本田技研工業 | Hondaスマートキーシステム | Hondaスマートキー |
スズキ | キーレススタートシステム | 携帯リモコン |
スバル | キーレスアクセス&プッシュスタート | アクセスキー |
三菱自動車工業 | キーレスオペレーションシステム | キーレスオペレーションキー |
ダイハツ工業 | キーフリーシステム | 電子カードキー |
マツダ | アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム | アドバンストキー |
車のスマートキーとキーレスキーとの違い
車のスマートキーとキーレスキーは、どちらもキーをささずに車の操作ができるという点では共通していますが、エンジンの始動方法や解錠や施錠方法などに違いがあります。
ドアの解錠方法と施錠方法の違い
キーレスキーの場合は、キーに内蔵されたボタンを押すことで、ドアの解錠や施錠を行うことができます。
一方で、車のスマートキーは、車とスマートキーがお互いに電波の送受信を行っているため、スマートキー側についているボタンを押してドアの開錠・施錠もできますが、車のドアについているボタンに触れるだけで開錠や施錠をすることができます。
また、スマートキーの種類によっては、車に近づいたり、離れたりするだけで開錠や施錠ができるものもあります。
エンジンの始動方法と停止方法の違い
キーレスキーでエンジンを始動する場合、車についている鍵穴にキーレスキーを差し込んで回転する必要があります。
エンジン停止時も同様にキーレスキーを回してエンジンを停止し、鍵穴から抜き取ります。
一方で、車のスマートキーは車内にスマートキーがあれば、ブレーキペダルを踏みながらエンジンスタートボタンを押すだけでエンジンを始動することができます。
エンジン停止時もエンジンスタートボタンを押すだけで停止することができるので、キーレスキーよりも簡単な操作でエンジンの始動や停止を行うことができます。
車のスマートキーのメリット
車のスマートキーのメリットは、大きく分けて以下の3つです
鍵の出し入れが不要になる
車のスマートキーの一番のメリットは、鍵の出し入れをしなくても操作ができる点です。
車のスマートキーを体に身につけていれば、スマートキーを取り出さなくても車に近づけばドアの施錠・開錠やエンジンの始動を行うことができます。
そのため、両手がふさがっている時や夜間でも、鍵を探す手間や不便がありません。
エンジンの始動がスムーズにできる
車のスマートキーは、ボタンを押すだけでエンジンを始動することができる点もメリットの一つです。
ドアの施錠・開錠時と同様に鍵の出し入れをしなくても操作ができるので、キーを差し込む手間や、キーを回す手間が省けます。
ピッキングによる盗難や車上荒らしを防げる
従来の車は、鍵穴に特殊な工具を差し込んで、鍵穴の内部にあるピンを動かして解錠する「ピッキング」という手口で盗難や車上荒らしの被害を受ける危険性がありました。
一方で、スマートキー式の車の場合は、ドアに鍵穴自体がない車種が多いことから、ピッキングのリスクを大幅に減らすことができます。
車のスマートキーのデメリット
車のスマートキーには便利なメリットがある一方で、デメリットと感じる点もあります。
電池の交換が必要
車のスマートキーは、電池で動作しているため電池が切れると、ドアロックの施錠・解錠ができなくなり、エンジンも始動できなくなります。
電池の寿命は、約1年から2年程度と言われています。
定期的に電池残量をチェックし、電池切れにならないように注意しましょう。
インロックや紛失した場合高額な費用がかかる
スマートキーを車内に置きっぱなしにしておくと、まれにインロックしてしまうことがあります。
スマートキーをインロックしてしまった場合、専門の業者に依頼すれば開錠することは可能ですが、鍵式の車よりも開錠が難しいことから高額な費用が掛かる場合があります。
また、スマートキーを紛失した場合、ディーラーや購入店でスペアキーを発注することが可能です。
ただ、スペアキーに関しても従来の鍵と比較すると費用が高額になってしまいます。
スマートキーはできるだけ車内に置きっぱなしにしたり、紛失をしないように注意しましょう。
盗難リスク(リレーアタック)
車のスマートキーは、リレーアタックによる盗難被害に遭いやすい点も注意が必要です。
リレーアタックとは、スマートキーの電波を傍受して、車両を盗難する手口です。
犯人は、スマートキーから発せられる電波を増幅して、車両に送信します。
これにより、車はスマートキーが近くにあると誤認して電波を発信してしまうため、簡単に解錠できてしまいます。
リレーアタック対策として、車両メーカーが電波の強度やセキュリティを強化するなどの対策を行っていますが、完全に防ぐことはできません。
自分で出来るリレーアタックとしては、車から離れた場所にスマートキーを保管するか、電波を遮断する金属製の缶やケースなどに保管するなどの方法があります。
車のスマートキーの使い方
一般的なスマートキー付きの車は次のような流れで操作を行います。
車に乗るとき
- ・スマートキーを身につけた状態で車に近づきます
- ・車のドアノブをタッチするとドアが解錠されます
(近づくだけで開錠するスマートキーもあります) - ・ブザーやハザードランプの点滅で解錠が確認できます
- ・ドアを開けて乗車します
エンジンを始動・停止するとき
エンジンを始動するとき
- ・スマートキーを身につけるか、車内に置いた状態にします
- ・ブレーキペダルを踏んだ状態でエンジンスタートボタンを押します
- ・エンジンが始動します
エンジンを停止するとき
- ・ブレーキペダルを踏んだ状態でギアをPレンジに入れます
- ・エンジンスタートボタンを押します
- ・エンジンが停止します
なお、スマートキーの種類や車種によって、手順が異なる場合があります。
詳しくは車の取扱説明書をご確認ください。
車を降りるとき
- ・スマートキーを身につけた状態で車を降ります
- ・車のドアノブをタッチするとドアが施錠されます
(離れるだけで施錠するスマートキーもあります) - ・ブザーやハザードランプの点滅で施錠が確認できます
車のスマートキーが使えないときの対処方法
車のスマートキーは、簡単に使えて便利な鍵ですが、電池切れや故障などで使えないときは、通常のカギと比較して、特殊な操作が必要になります。
車のスマートキーが使えないときの対処方法はつぎの通りです。
開錠は内臓のメカニカルキーを使う
スマートキーには、非常用のメカニカルキーが内蔵されています。
メカニカルキーは、スマートキーの電池切れや故障の際に、ドア開錠やエンジン始動に使用できる緊急用の鍵です。
メカニカルキーは、スマートキー本体に内蔵されていて、スマートキーが使えないときは、このメカニカルキーを取り出してドアを開錠や施錠を行うことができます。
エンジン始動時はスタートボタンに接触させる
メカニカルキーでドアを開けた後にエンジンを始動する場合は、スマートキーのロゴの裏側をエンジンスタートスイッチに当てる必要があります。
スイッチもしくはインジケーターが点滅したら、ブレーキペダルを踏んだままエンジンスタートスイッチを押すことで、エンジンが始動します。
※車種によっては操作が異なる場合があります。
電池を交換する
スマートキーが使えない原因で圧倒的に多いのは電池切れです。
スマートキーの電池の寿命はわずか1~2年程度で、電池残量が少なくなるとドアの開錠やエンジン始動に時間がかかったり、反応しなくなることがあります。
電池を交換することで、殆どの場合再び使用できるようになりますが、車のスマートキーの電池交換の方法は、車種やスマートキーの種類によって異なります。
車のスマートキーを交換する際は、取扱説明書を参照するか、購入した店に相談しましょう。
購入した店に相談する
電池切れや電波干渉以外の原因でスマートキーが使えない場合、故障の可能性があります。
電池を交換してもスマートキーが使えない場合は、ディーラー以外でもスマートキーの修理や交換を受け付けていますので、購入したお店に相談することをおすすめします。
まとめ
車のスマートキーは、鍵穴にキーをさす必要がなく、車に近づいたり触れたりするだけで操作できる便利な車用の鍵です。
車本体とスマートキーで送受信される電波によって自動操作が行われる仕組みになっていて、ドアの開錠や施錠のほか、エンジンの始動や停止も、ボタン操作だけで行うことができます。
一方で、電波を傍受して車を盗難するリレーアタック被害に遭いやすいほか、電池切れや故障などで操作ができなくなる場合があるため、緊急時の対処方法などは、事前に確認をしていた方が安心です。
GC店ではスマートキーの修理や交換を受け付けています。
お気軽にご相談ください。