ジムニーとは?
ジムニーは、自動車メーカーのスズキが販売しているオフロード四輪駆動車の軽自動車です。
1970年に初代ジムニーが発売されてから、現在まで50年以上継続して新車が販売されている人気車種です。
ジムニーの特徴
ジムニーは、コンパクトサイズの軽自動車でありながら本格的な四輪駆動車としてアウトドアやレジャーを楽しむユーザーを中心に人気を集めているクルマです。
ジムニーの特徴は主に次の点があります。
高い悪路走破性
ジムニーの最も優れた特徴の一つとして高い悪路走破性があります。
ジムニーの車体には、ランドクルーザーをはじめとする大型オフロード4輪駆動車と同じ高剛性のラダーフレームが採用されています。
さらに、パートタイム4WDや悪路走行に適したリジッドアクスル式サスペンションを採用していて、さまざまな路面状況で安定した走行を実現しています。
コンパクトなボディ
ジムニーのボディサイズは、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,725mmと、軽自動車規格に収まるコンパクトなサイズです。
そのため、山道や林道などの狭い道路でも難なく走行することができます。
また、車両重量もおよそ1t程度と軽量に抑えられていることから、ぬかるみの多い柔らかい路面でもスタックしにくいことから比較的安定して走行することができます。
シンプルなデザイン
オフロード性能とあわせて、機能的でシンプルなデザインもジムニーの特徴のひとつです。
機能性重視の直線を基調としたシンプルながらも力強さを感じさせるデザインは、他の軽自動車には無いオフロード車らしい雰囲気を演出しています。
ジムニーの性能
ジムニーは、オフロード走行に特化した設計により、高い性能を実現しています。
ジムニーのオフロード性能を支えるパーツは主に次のものがあります。
フレーム
ジムニーのフレームは、ラダーフレーム構造を採用しています。
ラダーフレーム構造とは、車両の骨格となるフレームを、はしごのような形状に組み立てた構造です。
ラダーフレームは、車両の重量を支えるだけでなくフレーム自体で衝撃を吸収し、ボディを保護する役割を担っています。
さらに、ジムニーのフレーム素材には高強度鋼を使用することで、高い強度と耐久性を実現しています。
エンジン
現行モデルのジムニーには、直列3気筒ターボエンジンが搭載されています。
排気量は軽自動車規格の660ccに抑えられていますが、ターボチャージャーの採用により最大出力64馬力、最大トルク9.8kgmを発揮する力強いエンジンです。
加えて、ジムニーのエンジンにはインテーク(吸気)側にVVT(可変バルブタイミング機構)が採用されていて、低回転域から力強いトルクを発生させることができます。
パートタイム4WD
ジムニーの駆動方式には、パートタイム4WDが採用されています。
パートタイム4WDは、2WDと4WDを切り替えることができる駆動方式で、通常の一般道では2WDで走行しながら、悪路走行時には4WDに切り替えることで、高い走破性を実現します。
サスペンション
ジムニーのサスペンションは、左右の車輪を一体化して同じアクスル上に取り付ける3リンクリジッドアクスル式サスペンションが採用されています。
このサスペンションは、片方のタイヤが凸路面で持ち上げられると、反対側のタイヤがシーソーのように下に押し下げられる構造になっているため、悪路でも効率よくトラクションを伝えることができることから、多くのオフロード4輪駆動車に採用されています。
ジムニーのグレード
ジムニーは機能性を重視しているため、一般的な乗用車と比較して装備の設定は多くありませんが、主に安全装備、エクステリア、装備内容の充実度によって複数のグレードと価格が設定されています。
現行モデルのジムニーのグレードは「XG」「XL」「XC」の3つの設定があります。
ジムニー「XG」
XGは、ジムニーのエントリ―グレードです。
エンジンやフレーム、トランスミッションなどオフロード走行に関連する部品構成は他のグレードと共通ですが、安全装備についてはABSやエマージェンシーストップシグナルなどの基本的な装備のみとなっています。
その他、快適装備や内装、外装についても最低限の基本装備にすることで車両価格が低く抑えられています。
ジムニー「XL」
XLは、ジムニーの中間グレードです。
XGに設定されている基本安全装備に加えて、LEDヘッドランプやフロントフォグランプのほか、ヒーテッドドアミラーなどの安全装備が標準で装着されています。
また、快適装備ではキーレスプッシュスタートシステムや電動格納式リモコンドアミラーのほか、運転席と助手席のシートヒーターが標準で装備されます。
ジムニー「XC」
XCは、ジムニーの最上級グレードです。
XLに設定されている装備に加えて、インテリアでは本革巻きステアリングホイールやステアリングオーディオスイッチのほか、スイッチ類にメッキ素材が使用されるなど、上質感のある装備が標準化されています。
また、エクステリアでは16インチのアルミホイールが標準装着されるほか、オプションでブラック2トーンルーフの選択が可能です。
歴代ジムニーのモデル
ジムニーは1970年の発売以降、悪路走破性能を備えたオフロード4輪駆動車の軽自動車として、50年以上にわたり生産され続けているクルマです。
日本国内はもとより、世界中で人気を集めています。
長い歴史を持つジムニーですが、歴代ジムニーのモデルは大きく分けると4つの世代に分けることができます。
初代ジムニー(LJ10/LJ20/SJ10/SJ20)
1970年に発売された初代ジムニーは、空冷2気筒2サイクル359ccエンジンを搭載していました。
初代ジムニーには、ラダーフレーム構造や前後リーフリジッドサスペンション、高低2段のトランスファーなど、発売当初から正統派のオフロード4輪駆動車のメカニズムが採用されていました。
2代目ジムニー(SJ30 /JA71/JA11/JA12/JA22)
1981年にフルモデルチェンジされた2代目ジムニーは、角型鋼管フレームをクロスメンバーで補強したラダーフレーム、前後半楕円リーフスプリング、240mmの最低地上高など、走破性をさらに向上させました。
エンジンについては発売中に何度か変更が加わりました。
2代目ジムニーの最初のモデル(SJ30)には、水冷3気筒2サイクルエンジンが搭載されていましたが、1986年から水冷4サイクル直列3気筒ターボのJA71型が登場しました。
さらに、1990年には軽自動車の規格が変更されたことで、これまでの排気量550ccのエンジンから660ccに拡大されたエンジンを搭載したJA11型が発売されています。
3代目ジムニー(JB23)
1998年に登場した3代目ジムニーは、軽自動車の規格変更に合わせてボディサイズが全長3,395㎜、全幅1,795㎜に拡大されたほか、新開発の「軽量衝撃吸収ボディ」が採用され、すべて5ナンバー登録の軽乗用車となりました。
また、広くなった室内サイズと合わせて折り畳むとフラットになる後席シートが採用されたことで、室内の快適性も向上しています。
4代目ジムニー(JB64)
2018年に登場した現行型の4代目ジムニーは、初代から続く伝統的な機能的デザインを踏襲しながら、最新の安全装備や快適装備が装着されています。
また、エンジンにはジムニーに合わせてチューニングされたR06A型ターボエンジンが搭載されていて、低回転から力強いトルクを発生させます。
ジムニーの中古車に人気がある理由
ジムニーは新車と同様に中古車でも高い人気を維持しています。
ジムニーの中古車に人気がある理由は主に次の点があげられます。
新車は納期がかかる
現行型のジムニーは2018年の発売以降5年以上経過していますが、依然として高い人気を保ち続けています。
この影響により新車の納期が長くなっていて、2023年12月現在でも注文から納車まで、グレードや仕様によっては、1年以上の納期がかかっています。
新車のジムニーの納期がかかる状態が長期間続いているため、納期が早い中古車のジムニーの人気も高い状態が続いています。
新車価格が高い
ジムニーの中古車に人気があるもう一つの理由としては、新車価格が高いことが挙げられます。
現行型のジムニーの新車価格は上位モデルのXCでは税込200万円に近い価格となっていて、軽自動車の中でも高額となっています。
このため、旧型モデルを中心に価格が抑えられているジムニーの中古車にも人気が集まっています。
ライバル車が存在しない
また、競合となるライバル車が存在しない点も、ジムニーの中古車に人気が集まる理由の一つです。
近年のアウトドアブームの影響で、SUVカテゴリーの軽自動車の人気が高まっていますが、自動車市場全体の規模から見ると決して多くはありません。
ジムニーに対抗できる本格的なオフロード4輪駆動車を新たに開発するためには大規模な投資が必要になりますが、現状の市場規模ではメーカーがその投資分を回収できるかどうか判断が下せず、新規参入に踏み切れていないという事情も考えられます。
加えて、ジムニーがすでに軽自動車のオフロード4輪駆動車のシェアを確立しているため他のメーカーが参入しにくいこともあり、市場の人気を独占していることが、ジムニーの中古車の人気にも強く影響しています。
ジムニーの中古車を選ぶときの注意点
ジムニーは、初代モデルから50年以上も継続して新車が発売されているため、中古車市場にも多くのクルマが流通しています。
一方で、中古車は新車と違いコンディションが1台1台異なることから、価格だけを優先して決めてしまうのはおすすめできません。
そこで、ジムニーの中古車の選び方のポイントについて、重要な点をいくつかご紹介します。
現行モデルと旧モデルの違いに注意する
ジムニーの中古車の選び方のポイントとして、まず重要な点は、現行モデルと旧モデルの違いに注意することです。
一番大きな違いは1998年に軽自動車のボディサイズ規格が変更されたことで、3代目以降のモデルは、全長が最大で約100㎜、全幅で約80㎜拡大していることです。
エンジンの排気量についても、現在の660ccになったのは1990年で、それ以前は550ccでした。
そのため、特に1990年前後と1998年前後の年式のジムニーの中古車を検討している方は注意が必要です。
安全装備に関しても、現行ジムニーは、旧型ジムニーに比べて先進的な安全装備が充実していますが、年式の古い旧型ジムニーではABSやエアバッグといった基本安全装備も未装着なモデルとなっていますので、その点を認識しておく必要があります。
走行性能に関しても、ラダーフレームやリジットアクスル式サスペンションといったオフロード4輪駆動車に必要なパーツは初代から採用されているものの、部品ごとに改良が施されているため、オフロード走行性能では現行ジムニーが最も強化されています。
ジムニーとジムニーシエラとの違いに注意する
ジムニーには姉妹車で小型自動車(登録車)規格のジムニーシエラがあります。
ジムニーシエラは、ボディやフレームなどジムニーと共通部分は多いものの大きく異なる点もありますので、購入の際には注意が必要です。
ジムニーとジムニーシエラの主な違いは次の点が挙げられます。
車両区分
ジムニーとジムニーシエラで最も大きな違いは車両区分です。
ジムニーは軽自動車ですが、ジムニーシエラは小型自動車(登録車)になります。
そのため、ボディサイズはオーバーフェンダーなどの外装パーツの装着により、ジムニーシエラの方が、車幅が広く全長も長くなっています。
一方で、室内のサイズに関しては、ボディやフレームが共通となっているため殆ど同じサイズとなっています。
エンジン排気量
ジムニーは660ccのターボエンジンを搭載しているのに対し、ジムニーシエラは1500ccの自然吸気エンジンを搭載しています。
排気量が大きい分、エンジン出力やトルクもジムニーシエラの方が高くなっているため、特に高速走行ではジムニーシエラの方が余裕をもった走行が可能です。
税金・維持費
ジムニーシエラは、小型自動車(登録車)の規格になるため、自動車税や重量税といった税金面では軽自動車のジムニーよりも金額が上がります。
修復歴があるジムニーの中古車は要注意
ジムニーの中古車を選ぶときは、修復歴の有無についても注意が必要です。
修復歴車とは、事故などで自動車の骨格部分に損傷を受け、その部分の修復歴がある車のことを言います。
ジムニーは、オフロード走行を想定した頑丈な作りになっているものの、大きな損傷を受けた修復歴車は新車と比較して強度や安全性能が低下している可能性があります。
その他にも、修復歴車のリスクとしては、修復した箇所の接合や防錆が不十分で、後に錆や腐食が発生する可能性があることも考えられます。
このようなリスクも踏まえて、修復歴車の購入を検討する場合は修復している部位についての詳しい情報や、それ以外の部位は修復していない事を証明してもらえるコンディションノートなどの書面を残してもらうなど、誠実な対応をしてもらえる中古車販売店から購入することを強くおすすめします。
サビや腐食があるジムニーの中古車は要注意
さらに、ジムニーの中古車については、ボディやフレームに錆びや腐食があるかどうかをよく確認する必要があります。
特に年式の古いジムニーは、経年劣化の影響でボディ鋼板の接合部分やフレームの結合部分などに錆や腐食が発生している個体が多く見られます。
外観はきれいでも目につかない内部に錆が発生していた、というケースも十分考えられます。
表面上の錆や腐食であれば影響が少ないこともありますが、骨格部分や接合部分の深部に錆や腐食が侵食していると、ボディ強度や安全性にも大きな影響が出てくることもあります。
特に年式の古いジムニーの中古車の購入を検討する場合は、できるだけ直接下見に行って、見えにくい場所まで錆や腐食の発生状況を確認することと、専門知識があり信頼できる中古車販売店から購入することをおすすめします。
おすすめのジムニーの中古車
ジムニー現行モデル(2018~)
2018年に発売された現行モデルのジムニーは、直線を基調とした機能的なデザインと高い悪路走破性を兼ね備えたオフロード4輪駆動の軽自動車として多くのユーザー人気を集めています。
発売から5年が経過しても新車の納期は1年以上続いていることから、中古車相場も高値を維持している状況です。
ジムニー旧モデル(1998~2018)
JB23型のジムニー旧モデルは、軽自動車のボディ規格が変更された1998年から2018年まで販売されていたクルマです。
歴代ジムニーの中でも人気が高いことから、現行モデルほどではないものの、中古車相場は高値が続いています。
ジムニーシエラ(2018~)
ジムニーシエラはジムニーの姉妹車の小型乗用車で、ボディサイズが大きく、エンジンも1500ccの自然吸気エンジンを搭載しています。
ジムニーは日本独自の軽自動車規格となっているため、海外で販売されているジムニーは、ジムニーシエラがベースになっています。
まとめ
ジムニーは、スズキが1970年から販売しているオフロード四輪駆動車の軽自動車です。
コンパクトサイズの軽自動車でありながら本格的な四輪駆動車として多くのユーザーから人気を集めています。
ジムニーは、50年以上新車販売を継続しているため中古車の流通台数は比較的多いものの、特に年式の古い中古車はコンディションに差があるため注意が必要です。
見えにくい場所の下見や各機能のチェックを行うことと合わせて、専門知識があり信頼できる中古車販売店から購入することをおすすめします。
グローバルクレストではジムニーをはじめさまざまな中古車をお取り扱いしています。
ジムニーの中古車やそのほかの中古車をご検討の方はお気軽にご相談ください。