そもそも車の燃費とは?
燃費はよく話題になる言葉で、車を選ぶ基準のひとつとしても用いられることが多くなっています。
一方で、燃費に関する数値の基準や計測方法については、よくわからないと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、車の燃費の種類や計測方法のほか、燃費を良くするコツについても詳しくご紹介したいと思います。
燃費は「燃料消費率」の略
そもそも燃費とは「燃料消費率」の略で、走行距離あたりの燃料消費量を数値で表したものです。
一般的に、車の燃費は1リットルの燃料で何キロメートル走ることができるかが基準になっていて、燃費が良い車ほど少ない燃料で長い距離を走ることができます。
燃費は、km/L(キロメートルパーリットル)という単位で表されます。
例えば、燃費が30km/Lの車であれば、1リットルのガソリンで30キロメートル走る、ということになります。
燃費の種類
車の燃費は車種や運転方法のほか、走行する道路の状況などによっても大きく変化します。
また、燃費は計測方式や基準によっても、いくつかの種類に別れています。
カタログ燃費と実燃費
車の燃費の種類は、大きく分けるとカタログ燃費と実燃費の2種類があります。
カタログ燃費とは、主に国土交通省が定めた試験走行で測定された燃費のことで、新車のカタログにある主要諸元表に記載されていることから、カタログ燃費と呼ばれています。
一方で実燃費とは、実際に走行した車の燃費を測定したもので、市街地や高速道路といった道路状況や運転方法によっても数値が変わってきます。
実燃費の測り方は様々ですが、最も一般的な方法は満タン法と呼ばれる方法です。
給油前にトリップメーターをリセットしてガソリンを満タンまで給油し、走行した距離と次に給油したカソリンの量を割ると、実燃費が計算できます。
JC08モード
カタログ燃費の表記は、現在主に2つの種類が使用されていて、そのひとつはJC08モードという測定方法です。
JC08モードは日本の自動車排出ガス試験における燃費測定モードの一つで、2008年から施行されていましたが、2018年以降のカタログ燃費にはWLTCモードに切り替わっています。
JC08モードは、市街地モードと郊外モードの2つで構成されています。
市街地モードでは停止と発進を繰り返す低速走行を中心に測定し、郊外モードでは 一定速度での巡航と、緩やかな加速・減速を中心に測定することで、実際の運転状況に近い数値が反映されるような計測方法が用いられていました。
WLTCモード
世界中で統一された自動車の燃費・排出ガス測定モードです。
従来のJC08モードよりも実車に近い走行条件を再現していて、より正確な燃費・排出ガス性能を測定できることから、2018年以降のカタログ燃費に採用されています。
WLTCモードは、市街地モードと郊外モード、高速道路モードの3つの走行モードで構成されています。
それぞれのモードで平均速度や停止時間などを設定しているほか、エアコン使用や車載重量なども考慮することで、より実燃費に近い数値が計測できるよう基準が設けられています。
燃費がいい車のメリット
燃費がいい車は、さまざまなメリットがあることから車を選ぶときの重要な基準のひとつとされています。
燃費がいい車のメリットには、主に次の点があります。
燃料代が節約できる
燃費がいい車は、1Lの燃料でより多くの距離を走行できるので、燃料代を節約することができます。
同じ距離を走るのに必要な燃料が少なくて済むので、走行する距離が多くなるほど節約できる金額も大きくなります。
自動車税・軽自動車税が軽減される
自動車税は車の排気量に応じて課税されますが、燃費がいい車にはグリーン化特例が適用されて自動車税・軽自動車税が軽減されます。
グリーン化特例は排出ガスと燃費性能に基づいて軽減される税額が決定されます。
税額軽減率は車種によって異なりますが、一定の燃費基準を達成した車は、新車登録の翌年度分の自動車税・軽自動車税が50%~75%軽減されます。
また、自動車の購入時に取得価額に対し課税される環境性能割では、燃費性能や排出ガス性能に応じて税率が設定されていて、燃費がいい車ほど税率が低くなります。
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航続距離が長くなる
燃費がいい車は、1回の給油でより多く走行できるので、航続距離が長くなることもメリットのひとつです。
航続距離が長くなることで給油の回数も少なくすることができるほか、長距離のドライブでも燃料の残量を気にせずに走行することができます。
また、災害時などで給油が頻繁にできないときでも、比較的余裕をもって走行することができます。
CO2排出量が少なく環境負荷が少ない
燃費がいい車は、燃料を効率的に使用するため、CO2排出量が少ないこともメリットです。
CO2は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一つといわれています。
燃費のいい車は走行中のCO2排出量が少ないことから、環境に与える影響を抑えることができます。
車の燃費をよくする走り方のコツ
燃費は、車の性能によって大きく影響されますが、運転方法によっても変わることがあります。
ちょっとした意識で燃費を改善できるポイントがありますので、そのコツをいくつかご紹介します。
急発進・急加速・急ブレーキを避ける
車の燃費をよくする走り方のコツは、急発進、急加速、急ブレーキといった“急”がつく動作を避けることです。
車の燃費は運転方法によって大きく左右されますが、特に急発進、急加速、急ブレーキは燃費を悪化させる代表的な運転と言えます。
急発進
急発進では、重い車体を一気に動かすために大きなエネルギーが必要になるため、エンジンに大量の燃料を送り込む必要があります。
信号待ちからの発進時などに急発進する車を目にすることがありますが、結局次の信号で停止するのであまり意味は有りません。
急発進を繰り返すことで燃料を無駄に消費することになり、それだけ燃費が悪くなります。
急加速
急加速も同様に大きなエネルギーが必要になるため、エンジンに大量の燃料を送って燃焼させる必要があり、その結果として燃料消費量が増加します。
高速道路での追い越しなどで急加速をしている車がありますが、急加速を繰り返していると、やはり燃費が悪化することになります。
急ブレーキ
急ブレーキは、せっかくエンジンで得たエネルギーを熱に変換して捨ててしまうことになるので、エネルギーを無駄に消費してしまうことになります。
失ったエネルギーを回復するために燃料が再び必要になるため、それだけ燃料を消費することになります。
また、急ブレーキをすると減速時のエンジンブレーキが作動する時間が短くなります。
エンジンブレーキはアクセルをオフにして燃料をカットすることでエンジンの抵抗を発生させる減速方法です。
エンジンブレーキの時間が短いと、それだけ燃料をカットしている時間が短くなるため、結果として燃費の悪化につながります。
速すぎず、遅すぎず適切な速度で走行する
車の燃費を向上させるためには、速すぎず遅すぎず、適切な速度で走行することも重要です。
エンジンに過度な負担をかけずにアクセルを一定にして走行することで、効率よくエンジンを動かすことができるので、その分無駄な燃料の消費を抑えることができます。
タイヤの空気圧を適正値にたもつ
タイヤの空気圧を適正値にたもつことも、車の燃費をよくする効果につながります。
空気圧が低いとタイヤの接地面積が広くなって走行抵抗が増加します。
その結果として余計なエンジンパワーを多く必要としてしまうので、燃費が悪くなってしまいます。
空気圧の適正値は、通常は運転席のドアを開けた所のセンターピラー部や、取扱説明書にも記載されていますので、燃費をよくしたい場合は、空気圧をこまめにチェックして、常に適正値で走行するようにしましょう。
不要な荷物を積まない
また、細かい点になりますが、不要な荷物を積まないことも燃費向上につながります。
車の燃費は荷物の重量に大きく影響されます。
例えば、100kgの不要な荷物を積むと燃費は約3%悪化する、と言われています。
特に、ルーフキャリアに荷物を積むと空気抵抗が大きくなるため燃費が悪化しやすくなります。
燃費を良くするためには不要な荷物を出来るだけ積まないようにした方がよいですが、どうしても必要な場合は、できるだけ重量物を座席の下に置くなど、重心が低くなる位置に積むように工夫しましょう。
おすすめの低燃費中古車
プリウス
プリウスは、自働車メーカーのトヨタが販売するハイブリッド専用車です。
エンジンと高出力モーターを組み合わせたハイブリッドシステムにより、力強い加速をする高い走行性能と合わせて優れた燃費性能を兼ね備えています。
ハイブリッドシステムの進化により、現行モデルではWLTCモードで26.0km/L~32.6km/Lという驚異的な燃費性能を実現しています。
アクア
アクアは、自働車メーカーのトヨタが販売するハイブリッド専用のコンパクトカーです。
アクアの燃費性能は、ハイブリッドカーの中でもトップクラスの数字です。
現行モデルではWLTCモードで 29.3km/L~35.8km/Lとプリウスよりもさらに高い数値となっています。
フィット
フィットは自動車メーカーのホンダが販売するコンパクトカーです。
フィットはガソリンモデルとハイブリッドモデルの2種類のパワートレインがラインアップされていて、それぞれ燃費性能が優れています。
ハイブリッドモデルは、WLTCモードで34.7km/Lという燃費を記録していています。
また、ガソリンモデルも26.3km/Lと、クラストップレベルの燃費性能を誇っています。
ノート
ノートは日産自動車が販売するコンパクトカーです。
現行モデルのノートは、e-POWERと呼ばれる独自のハイブリッドシステムを搭載していて、発電専用のエンジンを搭載し、モーターの動力のみで走行します。
燃費性能は2WDモデルでJWLTCモード燃費28.4km/Lと高い燃費性能を持っています。
アルト
アルトは自動車メーカーのスズキが販売する軽自動車です。
現行モデルではマイルドハイブリッドシステムを搭載するグレードがラインアップされていて、ガソリン車のなかでも低燃費を実現しています。
最も低燃費のモデルのハイブリッドXは、WLTCモードで27.7km/Lでクラストップの数値となっています。
まとめ
車の燃費は1リットルの燃料で何キロメートル走ることができるかが基準になっていて、燃費が良い車ほど少ない燃料で長い距離を走ることができます。
燃費がいい車は燃料代を節約できるほか、自動車税・軽自動車税が軽減されるなどさまざまなメリットがあるので、車を選ぶときの重要な基準となっています。
燃費がいい車は中古車市場にもいろいろな車種が流通しているので、中古車でも選びやすくなっています。
グローバルクレストでは、ハイブリッドカーをはじめとする低燃費の中古車を数多くお取り扱いしています。
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