そもそもワゴン車とは?
そもそもワゴン車とは、車のボディタイプの種類の一つで、人と荷物を運ぶために設計された乗用車のことをいいます。
ワゴン車は人と荷物を載せるための車
自動車は大きく分けると乗用車と商用車の2つの種類に分類されます。
乗用車は人を載せて移動することを主目的とした車のことで、商用車は荷物の運搬を主目的にした車です。
それぞれ目的によって車の設計や構造が異なっているほか、車検や税金などといった制度についても異なる仕組みが適用されています。
ワゴン車は乗用車の種類に分類されていますが、人を乗せることと合わせて荷物の運搬のことも考えられているため、一般的には4ドアセダンや2ドアクーペなどの乗用車と比較して室内や後部エリアが広くなっています。
ワゴン車のメリット
ワゴン車は人と荷物の両方を運ぶことを目的として設計されているため、便利で様々な使い方ができることから、大変人気のある車です。
ワゴン車に人気がある理由はいろいろありますが、多くの人が感じているワゴン車のメリットには主に次の点があります。
広い室内空間
ワゴン車は、乗用車のなかでも室内空間が広いため、乗員や荷物の収容能力が高くなります。
たとえば、家族で旅行に出かけるときでも荷室に旅行バックや荷物を積んだ状態でゆったりと座ることができますし、たくさん買い物をしたときや、家具などの大きな荷物でも問題なく載せることができます。
多人数が乗れる
通常のセダンのシートは2列で4~5名乗車が定員となっていますが、ワゴン車の一部のモデルでは3列シートの設定で7人以上の乗客を収容できる車もあります。
3列シートのワゴン車では、1台で家族や大勢の友人を載せて移動することができるので、公共交通機関で移動する場合と比較して安価で移動することが可能です。
多彩なシートアレンジ
ワゴン車はシートアレンジが多彩であることもメリットの一つです。
ワゴン車のモデルによっては後部座席を倒すことでフラットな床面を作ることができるものもあり、特に大型の荷物や長いものを積載するには大変便利です。
また、最近ではアウトドアブームで車中泊をする人も増えていて、シートをフラットにできるワゴン車に人気が出ています。
ワゴン車のデメリット
いろいろなメリットがあり人気のあるワゴン車ですが、使う人や使い方によってはデメリットになる点もあります。
ボディサイズが大きくなる
ワゴン車は、人や荷物を多く載せられるように設計されていますが、その分一般的なセダンなどの乗用車と比較するとボディサイズが大きくなる傾向があります。
モデルによってボディサイズはことなるものの、長さや横幅が大きいワゴン車は運転に注意が必要になりますし、高さ制限のある駐車場では、ワゴン車が利用できないこともありますので注意が必要です。
また、高さがあるワゴン車は側面の面積が大きいため風に煽られやすく、特に強風時に高速道路を走行するときはハンドルを取られて事故につながる危険性もあるので慎重に運転する必要があります。
車両重量が重くなる
ワゴン車は通常の乗用車と比較してボディサイズが大きくなる分、車両重量も重くなることもデメリットになります。
車両重量が重くなると、燃費に影響が出るほか、タイヤにも負担がかかり消耗が早くなることもあります。
また、車両重量によって重量税の金額も上がりますので、その分自動車購入時の諸費用や維持費も高くなります。
運転がしにくい
ボディサイズが大きいワゴン車は、運転がしにくい点もデメリットになります。
車体が長いワゴン車は、交差点の右左折や車線変更の際も死角が多いため細心の注意が必要になります。
特に道路幅が狭く交通量の多い都市部でのワゴン車の運転は、慣れていない人にとってはとても難しく感じるでしょう。
ワゴン車の種類
ワゴン車は人と荷物を運ぶために設計された乗用車で、使用する目的によって様々な種類があります。
代表的なワゴン車の種類について、その特長を説明します。
ワンボックスカー
ワンボックスカーは、その名前の通りボディが一つの箱のような形状をしているワゴン車です。
エンジンが車体の下に置かれているためボンネットのスペースが無い分、車内のスペースを有効に活用することができます。
ワンボックスカーの車内スペースは、居住空間と積載空間が一体で荷室との仕切りが少ないことから、シートアレンジをすることで荷物の積載能力を増やすことができます。
乗車スペースでは特に2~3列目が広くなっていて、ゆったりとしたスペースが確保できるほか、スライドドアを持つモデルも多く、狭い駐車スペースでも乗り降りがしやすくなっています。
ステーションワゴン
ステーションワゴンは、車体の後部に広い荷物スペースがあるワゴン車で、4ドアセダンのトランクルームに当たる部分が上部に広げられて乗車スペースと荷室スペースが一体になった構造になっています。
ステーションワゴンは、4ドアセダンをベースに荷室スペースを広げた設計になっているため、低重心で乗り心地はセダンに近く、横揺れも少ないので安定した走行が可能です。
ワンボックスカーとは異なり、4ドアセダンのボディスタイルに近いことから、漏れるによっては、走行性能を追求したスポーティな外観やデザインのステーションワゴンも人気があります。
ミニバン
ミニバンは、大人数の乗車に適したワゴン車で、主要のモデルには3列シートが設定されています。
ミニバンはワンボックスカーに近い形状をしていますが、エンジンが車体下部のやや前方に配置されているため短めのボンネットが前方にあり、1.5ボックスカーとも呼ばれています。
ワンボックスカーと比較すると室内スペースはやや狭くなりますが、乗員のスペースを優先した設計になっているため、大人数で乗っても快適に移動することができるよう、十分な乗車スペースが確保されています。
軽ワゴン
軽ワゴンは、軽自動車規格のワゴン車です。
軽自動車のため最大乗車定員は4名となっていますが、その分室内スペースが広くなっています。
軽ワゴンは大きく分けて2種類のボディタイプが存在します。
1つは荷物スペースを重視したワンボックスタイプの軽ワゴンです。
エンジンをシート下部に設置することで、ボンネットスペースを無くしてその分荷室スペースが広くなっています。
もう一つはミニバンタイプの軽ワゴンです。
ミニバンタイプの軽ワゴンは、ワンボックスタイプのような広い荷室スペースは無いものの、セダンタイプと比較して高さがあり広い乗車スペースを確保しています。
失敗しないワゴン車の選び方
ワゴン車は人気があり、自動車メーカーごとにたくさんの車種やモデルがラインアップされています。
ワゴン車のモデルによって様々なタイプがあるため、選ぶポイントを間違えてしまうと、かえって使い勝手が悪くなってしまった、と購入したあとに後悔してしまうことも考えられます。
そこで、失敗しないワゴン車の選び方について、いくつかポイントをまとめてみました。
室内スペースを確認する
ワゴン車を選ぶときに一番重要な点として室内スペースの広さがあげられます。
ワンボックスカーやステーションワゴンなど、ワゴン車の種類によって室内スペースは変わりますが、自動車メーカーや車種が変われば同じ種類のワゴン車であっても室内スペースはそれぞれ違いが出てきます。
まずは、ワゴン車を使う目的として“何を重視するか”という点を明確にすることが重要です。
例えば、大人数での旅行やドライブにワゴン車を使うことが多ければ、ワンボックスカーやミニバンといった、乗車定員が多く、室内が広いワゴン車を選ぶ必要があります。
また、少人数でアウトドアなどの道具をたくさん載せて移動するといった用途が目的であれば、ステーションワゴンがおすすめになります。
エンジン性能や燃費を比較する
ワゴン車を選ぶときにもう一つの重要な点としては、エンジン性能や燃費があげられます。
ワゴン車は人や荷物を載せるためにボディサイズが大きくなる傾向があります。
そのため、車両重量も重くなることから、エンジンには少なからず負担がかかるため、燃費は劣る傾向にあります。
車両重量が重いと加速は鈍くなり、上り坂の多い道では必要以上にアクセルを踏まないと進まない、ということも考えられます。
峠や上り坂を走行する機会が多いのであれば、エンジン出力が高いワゴン車を選ぶ必要がありますし、燃費が気になる場合は、ハイブリッド機能の付いたワゴン車も選択肢として考えることをおすすめします。
予算と支払方法を確認する
他にもワゴン車を選ぶときに重要な点としては、予算と支払方法があります。
ワゴン車はボディサイズが大きく装備が充実しているモデルも多いことから、車両価格は高い傾向にあります。
現金一括で支払うことが難しい場合は、オートローンなどで分割支払いする選択肢もあります。
また、近年は税金や諸費用を月々の支払いに含めることができるカーリースも注目されていますので、支払方法については自分にはどのような支払プランがあっているのか購入前に販売店に相談してみましょう。
人気やリセールバリューを調べる
乗り換えするときの査定価格に影響する人気やリセールバリューについても、購入する時点で調べておく必要があります。
ワゴン車は使う人のライフスタイルが変化すると、使い方にあわないケースがよくあります。
例えば、子供が成長すると家族で外出する機会が減ることが多いため、ミニバンやワンボックスカーでは持て余してしまう、ということもよくあることです。
数年後にライフスタイルが変わる可能性がある場合や、モデルチェンジに合わせて乗り換えをしたいと考えている方にとっては、下取価格も重要な要素になります。
中古車市場ではワゴン車の中でも人気が高い車は特に高額で取引されているほか、オプション装備の有無やボディカラーによっても下取り価格が大きく変わってくることがよくありますので、売却時の査定価格を想定して車種やグレード、装備を選ぶことも、ワゴン車の選び方としては重要な要素になります。
おすすめのワゴン車10選
トヨタ ハイエースワゴン
ハイエースワゴンは、トヨタ自動車が製造・販売しているワンボックスカータイプのワゴン車です。
もともとは商用車として誕生しましたが、その堅牢な作りと広々とした室内空間、信頼性の高さで人気が上昇し、のちにワゴン車としても発売されるようになりました。
商用車のハイエースバンと共通のボディを採用しているため、広い室内空間を確保していることから、最大10名まで乗車することが可能です。
現行ハイエースワゴンのエンジンは2700ccのガソリンエンジンのみのラインアップで、駆動方式は2WDのほか4WD(四輪駆動)モデルも存在し、悪路や雪道などでの走行に対応しています。
ボディサイズは、標準サイズのほか、ロングボディでハイルーフのグランドキャビンもラインアップされています。
日産 キャラバン
キャラバンワゴンは、日産自動車が製造・販売しているワンボックスカータイプのワゴン車です。
ハイエースと同様にキャラバンは商用車のキャラバンバンと共通のボディを採用していて最大10名まで乗車することが可能です。
現行モデルのキャラバンワゴンのエンジンは2500ccのガソリンエンジンのみのラインアップで、駆動方式は2WDと4WD(四輪駆動)のモデルが存在しています。
ボディサイズは、標準サイズのほか、ロングボディでハイルーフのモデルも設定されています。
トヨタ アルファード / ヴェルファイア
アルファードとヴェルファイアは、トヨタ自動車が製造・販売する高級ミニバンです。快適な乗り心地と豪華な内装、高度なテクノロジーを備えた車種として、日本をはじめ世界中で人気があります。
アルファードとヴェルファイアは、基本構造は共通の兄弟車としての位置づけとなっていますが、外観のデザインやエンジンラインアップの違いがあり、差別化がされています。
特に最新モデルのエンジンの種類については、ハイブリッドエンジンは共通となっているものの、ガソリンエンジンはアルファードが2500ccの自然吸気に対し、ヴェルファイアは
2400ccのターボエンジンを搭載しています。
トヨタ ノア / ヴォクシー
ノアとヴォクシーは、トヨタ自動車が製造・販売しているミドルクラスのミニバンです。
家族やグループでの移動に適した広い室内空間と快適な乗り心地が特徴で、多彩なシートアレンジと工夫された収納スペースが人気の要因となっています。
ノアとヴォクシーはエンジンの種類や装備など豊富なバリエーションがあり、ユーザーのニーズに合わせた仕様を選ぶことができます。
ノアとヴォクシーはエンジンラインアップを含めた基本構造が共通の兄弟車としての位置づけとなっていて、主に外観のデザインの違いによって差別化が図られています。
日産 セレナ
セレナは、日産自動車が製造・販売するミドルクラスのミニバンです。
セレナは、家族やグループなどの多人数での乗車を想定した設計がされており、快適な室内空間とあわせて便利な機能を装備しています。
また、セレナは日産の技術力を駆使した最新のテクノロジーが搭載されていることでも注目されています。
パワートレインでは発電用のガソリンエンジンを搭載したモーター駆動のシステム “e-POWER”がラインアップされているほか、“プロパイロット2.0”とよばれる運転支援システムも搭載しています。
SUBARU(スバル) レヴォーグ
レヴォーグは、自動車メーカーのSUBARU(スバル)が製造・販売するステーションワゴンです。
コンパクトなボディサイズに高い走行性能を兼ね備えたモデルとして人気があります。
レヴォーグは、低重心の水平対向エンジンに4つのタイヤを駆動させるAWDシステムを搭載することで、ステーションワゴンでありながらスポーツカーにも引けをとらない高い走行性能を持っています。
また、SUBARU(スバル)では先進的なテクノロジーを取り入れた安全装備も評価されていて、車内前方のステレオカメラで障害物を三次元的に認識する運転支援システムの“アイサイト”がレヴォーグに採用されています。
カローラフィールダー
カローラフィールダーは、トヨタ自動車が製造・販売しているコンパクトサイズのステーションワゴンです。
カローラシリーズは全世界で累計5000万台販売されているトヨタの代表的な車で、カローラフィールダーは、その中のワゴン車のモデルとして位置づけられています。
広い荷室スペースとスポーティな外観で若者を中心に人気があるモデルで、パワートレインはガソリンエンジンのほか、ハイブリッドエンジンもラインアップされています。
ホンダ シャトル
シャトルは、自動車メーカーのホンダが製造・販売していたコンパクトサイズのステーションワゴンで、新車は2022年1月に販売を終了していますが、中古車は現在でも流通しています。
シャトルは車内の広さとあわせて、燃費や運転のしやすさを考えた設計になっていて、車内の広さと使い勝手の良さを求めるユーザーや、都市部での利用を考えている人に人気があるワゴン車です。
シャトルは、ガソリン車のほか、ハイブリッドモデルもラインアップされていて、コンパクトながらも機能的な室内レイアウトと燃費効率を併せ持つ車として、ユーザーに支持されています。
スズキ ワゴンR
ワゴンRは、自動車メーカーのスズキが製造・販売している軽ワゴンです。
軽自動車で初めてミニバンタイプの軽ワゴンとして1993年に発売されたのがワゴンRです。
それまでの軽ワゴンはワンボックスカータイプしかありませんでしたが、ワゴンRによってミニバンタイプの軽ワゴンが新たなカテゴリーとして確立されることになりました。
ワゴンRは、軽自動車の限られたボディサイズ規格の中で広い室内空間や高い居住性を確保していることから、日本で大変人気の高い軽ワゴンです。
ワゴンRは、ユーザーのニーズに合わせて様々なバリエーションやオプションが用意されており、エンジンの種類や装備、デザインなどが異なるモデルが存在します。燃費の良さや軽自動車ならではのリーズナブルな価格と維持費を理由に、多くのユーザーに支持されている車です。
ホンダ N-BOX
N-BOX(エヌボックス)は、自動車メーカーのホンダが製造・販売する軽ワゴンです。
N-BOXは、軽ワゴンの中でもスーパーハイトワゴンのカテゴリーとして、日本国内で特に人気があり、国内の新車販売台数は登録車を含めたランキングで常に上位を維持し続けています。
N-BOXには通常のデザインのほかドレスアップパーツが標準装備されたN-BOXカスタムもラインアップされていて、燃費の良さや取り回しのしやすさと合わせて、デザイン力の高さもN-BOXの魅力の一つです。
まとめ
ワゴン車は人と荷物の両方を運ぶことができる便利な乗用車として大変人気のある車です。
現在は各メーカーからいろいろな種類のワゴン車が発売されています。
それぞれ特長がありますので、購入する際は使い方や希望などを販売店と相談しながら選ぶことをおすすめします。
グローバルクレストで中古車はもとより、新車のワゴン車をお取り使いしていますのでお気軽にご相談ください。